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当プログラムについて about This Project
日独共同大学院プログラム 「流体数学」は, 日本学術振興会(JSPS) 日独共同大学院プログラム の一環として,ドイツのDFG によるダルムシュタット工科大学の IRTG 1529 プロジェクト と協働し,博士後期課程の学生へ教育を行っています.
第1期は,早稲田大学教授・柴田良弘をコーディネーターとして 2009年4月から2014年3月まで実施されました.
現在は第1期の継続事業として第2期の新規プログラムが進行中で, コーディネーター・早稲田大学教授・小薗英雄を主幹に, 2014年4月から2018年3月まで実施予定です. 名称は第1期,第2期を通して「流体数学」です.
第1期プログラムの目標は
- 分野の垣根を取り払った横断的な教育システムの構成
- 流体数学研究において共通の科学的言語をもつ日独の学生の育成
- 厳密な数学」と「シミュレーション等による応用とのインターフェイス」 に携わる国際的チームの形成
でした.
この目標を達成するために,偏微分方程式論・確率論・大域幾何学・計算機科学・ 機械科学等を主専攻とする,日本とドイツの学生に以下の教育活動を行いました.
- 実解析・関数解析・調和解析・確率微分方程式・大域幾何学・計算機科学等の 分野にまたがる横的な数学の基礎教育を,ナヴィエ・ストークス方程式をキーワードとして 流体数学の関連で行う.
- 数学と応用分野の緊密な連携のもとに,応用分野の教員による流体数学の教育を行う.
- 流体数学の中心的な研究テーマに対するゼミ形式の研究指導を,幾つかの分野の教員により行う.
これらを更に発展させるために,新たに第2期プログラムがスタートしました.
第2期プログラムの目標は
- 理工学の幅広い理解力とそれを表現できる能力(広域的学際性)
- 流体数学の基礎学力を背景に,それを広く諸科学に展開できる能力(実践的研究能力)
- 国内外への情報発信能力と国際的リーダーシップの発揮(発信能力)
を兼ね備えた先端的科学者(フロンティア・サイエンティスト)の育成です.
これらの能力を身に着けるために,以下のカリキュラムをダルムシュタット工科大と協働で実践します.
- 広域的学際性養成プログラム
- 英語プレゼンテーション指導
- 論文作成指導
- 実践的研究能力強化プログラム
- 基礎科目講義
- 流体数学専門講義
- 論文直結型セミナー
- 情報発信能力養成・国際的リーダーシップ強化プログラム
- 「JSPS-DFG 共同流体数学国際研究集会」
- 研究成果発表
これらの実現に向けて日独両国で大学院生の協働による分野横断的な研究に従事します. 最終的には超巨大自由度非線形力学系の構築に代表される流動現象の解明のために, 数理科学の手段としての流体数学における新たな学問分野の開拓に寄与することを目指します.